第4話 閃光第4話 閃光古都ブルンネンシュティグへ帰る道の中、アシャーは言った。 「あのファントムは、私の持っているこの書物を狙っているのです」 懐の道具袋から、一冊の意味不明な文字で書かれた本ととりだし、ヴァン達に見せた。 「なんだ?この文字・・・?」 「それは、天界語で書かれています・・・要は、天界語の翻訳書ですかね」 そして再びそれを道具袋へ戻すアシャー。 「奴は、旧レッドアイ研究所にある隠し階層にある資料を解読し、天界語で書かれた部分が読めなかったのでしょう。だから私のところにきたのです」 「へぇ・・・その翻訳書とやらを使って、『REDSTONE』のありかを探し出す気か?」 「いえ、奴はすでに『REDSTONE』を持っています。」 アシャーの言った言葉の意味をヴァン達が理解するのに、いくつかの時間を要した。 ラムサスが慌てた口調で言う。 「ま、待てよ。そいつが持っているってんなら、なんで天使達に渡さないんだ?渡せば、英雄と同じような扱いをうけられるし、平和にだってなるんだぞ?」 「世界がこんなになった理由は、何も『REDSTONE』が落ちて時間が立った・・・というわけではないのです。」 その言葉に意味を悟ったのか、ロレッタが恐る恐る聞く。 「・・・それは、どういうこと?」 「落ちて時間が立っただけでは、こんなにも地上の怪物達は凶暴化しません。なるとしても、せいぜい気が荒くなるだけで、古都の近くのコボルトが集団で人を襲うようにはなりません・・・となれば・・・」 「まさか、あのファントムって奴のせいだっていうのか?」 「・・・それしか、考えられません。研究所には、天使達から色々と元素に関する資料が行き渡っているはずです。それが残っているとなると、どうすれば地上の怪物達が凶暴化する・・・なんてことは、簡単なことなんです。」 ラムサスが侮蔑を交えた口調でつぶやく 「・・・おんなじウィザードでも、これほど違うってか・・・」 「ラムサス、このことを王に報告しよう、そうすれば・・・!」 言い終ろうとしたその時、ヴァンは密かに熱気を感じた。 そして、咄嗟にこう叫んだ。 「みんな!横に飛べ!!!!」 ヴァンに言われた通りに横っ飛びに転がった。 すると、今までヴァン達のたっていた所に、巨大な隕石がすさまじい速さで落下し、大爆発を引き起こした。 「・・・これは・・・『メテオシャワー』!?誰が・・・」 撃った犯人を探していると、空から笑い声が聞こえた。 「・・・フハハハハハハ!!また会ったな!アシャー!」 「!!ファントム!!」 空を見上げると、こちらからは決して攻撃のとどかないようなところに、『レビテイト』の効果なのかわからないが、ファントムが浮かんでいた。 「さっき私に傷をつけた罪・・・償っておらおうかな?・・・もちろん『死』でな」 言い終わると同時に、近くの茂みから、森から、次々と『ティンバーマン』と『ウルフ』が続々と現れる。 ざっと、50匹は越している。 ・・・誰もが、激戦を予想せずにはいられなかった。 ジャンル別一覧
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